
ミュージカルでも大人気のディズニー映画「ライオンキング」若いライオンの「シンバ」が動物たちの王になるまでの大河物語です。そんなライオンキングでも人気が高いのはイボイノシシの「プンバァ」とミーアキャットの「ティモン」です。シンバを手助けする陽気なコンビで、映画ではお馴染みのイボイノシシですが、あまりよく知らない方も多いのではないでしょうか。今回はその生態についてご紹介していきたいと思います。
イボイノシシはサバンナが生息地のイノシシ

アジアを中心に広く生息し日本でも古代からおなじみのイノシシですが、その仲間であるイボイノシシの生息地はどこなのでしょうか。イボイノシシの生息地はライオンキングの舞台でもあるセネガルやソマリアといったアフリカのサハラ砂漠以南の地域の生息しています。イボイノシシの学名はPhacochoerus aethiopicusというのですが、aethiopicusは「エチオピアの」という意味があります。
日本に生息するイノシシは山間部や藪の中など身を隠せる場所が主な生息環境ですが、イボイノシシはサバンナの草原や森林、天然の洞窟や岩陰の他にツチブタなど別の動物が作った巣穴に生息することが確認されています。
また日本に生息するイノシシと比べてイボイノシシは体毛がうすいのが特徴でややスマートな印象も受けます。
日本に生息するイノシシとイボイノシシの共通の特徴としては水浴びや泥浴びが挙げられます。泥浴びを行うことは体に就いたダニなどの寄生虫を落としたり体温調節といった役割があるそうです。
イボイノシシの特徴はイボと臭い

日本に生息するイノシシとは異なる種類のイボイノシシですが、イボイノシシの名前にあるイボとはどのようなものなのでしょうか。
イボイノシシのイボと呼ばれる部分は目の下の部分と頬に一対ずつ確認することができます。イボイノシシの頭蓋骨をイボの部分に骨はなく、このイボは皮膚が発達してできたものです。
このイボは地面を掘る際や食事をする際に目を保護する役割や、オス同士のケンカで相手のキバから身を守ることに役立っています。
このような経緯もあり、メスに比べてオスのイボイノシシの方がイボが発達しており、イボが立派なイボイノシシのほうが美男子とされています。
また、「ライオンキング」のスピンオフ作品である「ティモンとプンバァ」の中でも度々、プンバァの体臭がきついことを示唆するセリフが出てきますが、実際のイボイノシシも非常にきつい臭いを発しており、イボイノシシと一緒に飼育されているゾウがイボイノシシの体臭により、興奮してしまった記録もあります。
天敵の多いイボイノシシの警戒心は尻尾でわかる

イボイノシシの天敵はアフリカに生息していることもあり、ライオンやヒョウ、ハイエナ、ワニ、ニシキヘビといった肉食獣の面々です。
イボイノシシの性質は基本的に警戒心が強く、臆病で普段はおとなしいのですが、まれに肉食獣に襲われた際には果敢に立ち向かうこともあるようです。
天敵が多く、警戒心の強いイボイノシシですが、警戒をしているか否かは尻尾を見ることで判断できます。
イボイノシシは危機が迫っているときや敵から逃げているときに尻尾をたてるのですが、周りの気配に警戒をしている際にもアンテナさながらに尻尾を立てます。
この尻尾を立てた姿はなかなかユーモラスで、サファリを楽しむ観光客にも人気が高いようです。
映画「ライオンキング」で描かれた細かいしぐさや様子も現実のイボイノシシと通ずるものがあり、かなり適確にイボイノシシを描写しているようです。映画を観る際にもこのようなイボイノシシの特性を踏まえて鑑賞みてはいかがでしょうか。