
みなさんはターキンという動物をご存知でしょうか。牛のような見た目ですが、どことなく山羊のような雰囲気を持ち合わせる動物です。実はこのターキンは絶滅寸前でジャイアントパンダやトキなどと同じくらい希少な種類の動物なのです。
今回はこの珍獣ですが意外と地味なターキンについて
・生息する環境
・ターキンの種類
・絶滅寸前の理由
以上についてご紹介していきたいと思います。
森林に生息するターキン

ターキンはジャコウウシに近い種類のウシの仲間で、生息する地域はインドや中国、ミャンマー、ブータンなど東アジアからインドにかけての地域のうち標高1000メートルから4000メートルの高地で、主にシャクナゲやタケなどが生える環境を好みます。
夏は300頭ほどの複数の群れが合流して高地に移動し、冬になると群れは分散し低地に移動をする珍しい習性を持っています。個の群れは家族群で1頭のオスが複数のメスを引き連れ、外敵から身を守ります。
移動については、冬場にエサを求めてることを目的として移動するほかに、ターキンはミネラルを多量に摂取する必要があることから、塩分を含む岩石が豊富な場所へ長距離移動をおこなうこともあります。
日本ではあまりなじみのない動物ですが、中国でも珍しい動物で上述のとおり、ジャイアントパンダ、トキと並んで中国三大珍獣に数えられるケースも多く、ターキンはもともと数が少ない上に、生息する環境が開発により破壊されていることでほかの2種と同じように絶滅が心配されています。
ターキンは主に4種類!多摩動物公園では園内で繁殖も

ターキンは生息する地域によって大きく4種類に分類されるともいわれています。
それぞれインドのアッサム地方やチベットに生息するチベットターキン、中国の陝西省やブータンに生息し金色に近い体毛を持つゴールデンターキン、中国の四川省に生息し背に黒い縞があるスーチョワンターキン、ブータンに生息するブータンターキンに分別されます。
このうちゴールデンターキンはいくつかの日本の動物園でも飼育されており、神奈川県横浜市のよこはま動物園ズーラシア、東京都日野市の多摩動物公園、和歌山県白浜のアドベンチャーワールドで見ることができます。
西日本で唯一飼育しているアドベンチャーワールドではターキンと同じ中国三大珍獣のジャイアントパンダも見ることができ、多摩動物公園では園内で生まれ育った両親をもつオウテンが2010年に誕生し話題になっています。
ターキンの特徴的な角と足

ターキンの特徴として頭に生えているほかにない形の角とがっしりとした足が挙げられます。
ターキンは生後間もない頃は角が見られませんが、成長するにつれて次第に黒い角が見えてくるようになります。
角はオス、メス関係なく生え個体によって角の形は変わってきますが、根本は太くスイギュウのようにも見えますが最初は外側に向かって生えその後、後ろに向かっていく特異な形をしています。
ターキンは普段ゆったりとした動きをしていますが、危険を察知した際には岩山を俊敏に駆け上がることもでき、前足が届く高さであれば駆け上ることができる強靭な足を持っています。
また、ターキンのひづめは険しい岩山を上ることができるように発達しており、足の前側のほかに副蹄と呼ばれる滑り止めの役割を果たすひづめがあります。
ターキンは減少は食用も一因

ターキンはこれまで触れた通り、絶滅の危機に瀕しておりジャイアントパンダと並んで国家保護第一種の動物に指定されています。
ターキンは元来、生息数が少ない動物だったのですが生息地である森林の開発が進んだことが大きな原因とされていますが、人間が食用とすることも数を減らした原因なのだそうです。
また、人間が飼育する家畜が増え食糧を競合することになったことも影響しているといわれており、人間の食性がターキンの数を減らしたといっても過言ではないかもしれません。
派手なパンダに何かと隠れがちなターキンですが、その魅力を感じてたいただけましたでしょうか。
日本でもいくつかの動物園でターキンを見ることができるので、一度この珍獣を実際に見ていただければと思います。