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石にこだわるラッコの見られる水族館

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ラッコ

愛くるしい姿とお腹の上で貝を叩くユニークな習性から水族館の人気者となったラッコ。しかし近頃その姿を実際に見ることは難しくなりつつあります。
今回はなかなか見ることができない人気者のラッコの現在と、特徴についてご紹介していきたいと思います。

ラッコはお気に入りの石で貝を叩く

ラッコ

冒頭でも紹介した通りラッコの一番の特徴はお腹の上で貝を叩く姿ではないでしょうか。石で貝を叩く仕草は非常に可愛らしく人気も高いです。
もちろんこの仕草は固い貝殻を石で割り中身を食べるためにおこなうのですが、哺乳類で道具を使うのは霊長類を除くとラッコだけなのです。
以前、神戸市立須磨海浜公園のラッコが手のひらの肉球を見せるような姿が愛らしくネット上で話題になりましたが、実はこの手のひらの肉球がラッコが石を使う上で大事な役割を果たします。
肉球が指の代わりとなり両手で石をつかむ際にがっちりとホールドすることができるのです。近年の研究でラッコが砕いた貝殻を調べると砕け方から多くのラッコが右利きであることがわかりました。
また、ラッコは使用する石にこだわりを持っており、同じものを使い続けます。石への愛着は非常に強いようで他のラッコに自分の石を自慢する姿もある一方で、お気に入りの石を失くしてしまうと、自分に合った別の石が見つかるまでの間、うまく貝を割ることができず満足に食事をとることができなくなってしまいます。
ラッコはこの大切な石を岸辺に隠すこともあるのですが、たいていは体にあるポケットにしまいます。ポケットといってもラッコのわきの下に皮膚がたるんでいる部分がありそこをポケットのようにしているようです。

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ラッコは大食いで海藻に包まって眠る

ラッコ

石で貝を割って食べるラッコですが、ラッコのエサは貝だけではありません。実はラッコはかなりグルメな生き物で貝のほかにウニやタコ、イカ、カニなどを主に食す贅沢な食生活です。加えて40キロのラッコでは1日に10キロものエサを食べる大食漢なのです。
ラッコの生息地は千島列島からアラスカにかけてやカリフォルニア中央沿岸の海域で水温が4℃から10℃ほどの冷たい海です。そんな冷たい海で脂肪の少ないラッコが生き抜くために、これだけの量のエサを食べる必要があるのです。
ラッコがエサを食べることによって海の中の生態系の維持に寄与する側面もあります。
一例をあげるとラッコが食べる海藻をエサとするウニを食べることで海藻がウニによって食べつくされることを防ぎます。海藻は海中で光合成をおこなうことで酸素を作り出し、海中の生物が成長する助けとなります。
もしラッコがウニを食べなければ海藻は食べつくされてしまい、海中に酸素の供給がされずその海域が死の海となってしまうのです。
またラッコは海藻を有効活用しており、滅多に陸に上がることのないラッコは眠るときは海藻に包まって眠ります。これは沖に流され、天敵であるシャチなどに襲われることを防ぐためといわれています。

ラッコはアイヌ語でラッコ鍋にも

ラッコ

現在は姿を見ることができませんが、かつては北海道の樺太近くにもラッコは生息しており、ラッコは北海道の先住民族であるアイヌ民族の言葉であるといわれています。
明治時代末期の北海道・樺太を舞台にした人気漫画「ゴールデンカムイ」ではラッコの肉を使ったラッコ鍋が描かれており、アイヌの言い伝えによるとラッコの煮える臭いは欲情を刺激するという描写もあります。

ラッコは絶滅危惧種で見られる水族館も少ない

ラッコ

日本の水族館で1982年に静岡県の「伊豆三津シーパラダイス」と三重県の「鳥羽水族館」で初公開されてから多くの水族館で見ることができたラッコですが、現在は上述の「鳥羽水族館」のほか新潟県の「マリンピア日本海」、石川県の「のとじま水族館」、和歌山県の「アドベンチャーワールド」、兵庫県の「神戸市立須磨海浜水族園」、福岡県の「マリンワールド海の中道」の6つの水族館でしか目にすることができません。
ラッコは主に毛皮を目的にした乱獲によりその数を大きく減らしおり、絶滅が危ぶまれています。そのため輸入規制が敷かれ国内のラッコ同士で繁殖への取り組みがされていますが、なかなかうまくいかずラッコの飼育数は年々減少傾向にあるそうです。

かつては日本のすぐ近くでも見ることのできたラッコですが、今や水族館ですら姿を見ることが難しい貴重な動物になってしまいました。しかし、近年保護の取り組みにより野生のラッコの数は増加傾向にあるようです。
近い将来、輸入規制が緩和されれば水族館で再びラッコの愛らしい姿を気軽に見られるかもしれません。

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