
世界最大の流域面積を誇るアマゾン川。そこに生息するピラニアは日本人にもお馴染みの存在でしょう。世界にもまれに見る凶暴さでピラニアに襲われたが最期助かることはないというイメージを持つピラニアですが実際にはどうなのでしょうか。今回はそんなピラニアについてご紹介していきたいと思います。
映画とは違い臆病なピラニア

1978年に公開されたパニック映画「ピラニア」はアメリカ軍に改良された人食いピラニアが脱走し人々を襲うというものです。また、1954年に公開された南アメリカ大陸の人々の生活や風土を記録したドキュメンタリー映画「緑の魔境」では川に落ちた子牛にピラニアの群れが襲い掛かり、骨だけにされてしまうという衝撃的なシーンが描かれています。
このような映画の影響でピラニアといえば、獰猛で恐ろしい印象がありますが、実際のピラニアは臆病で神経質な魚です。
普段は川の中で身を潜めて過ごしており、自分より大きな動物や魚が近づくと逃げ出してしまうほどで、1匹で過ごすことができず基本的に群れで過ごしています。
岸辺に近づくこともほとんどなく、映画のように川に落ちたからといってすぐに襲われることはほとんどありません。
血を感じると豹変するピラニア

上でもご紹介した通り、実は臆病な魚であるピラニアは映画のように大型の動物を捕食することはなく、主に捕食するのは小型のほかの魚や川に落ちたネズミや鳥の雛です。ただし、川に落ちて弱っていたり、息のない動物は大型であっても捕食します。捕食の仕方も強い警戒心が色濃く出ており、獲物から離れた安全な場所から高速で肉をかすめ取るように捕食します。
そんな臆病なピラニアですが、人間を襲う可能性が全くないわけではないようです。
ピラニアは血の匂いと水面を激しくたたくような音に対して敏感に反応し、興奮状態になる習性があり、群れ全体が興奮状態に陥ると水面が盛り上がるほどの勢いで獲物に食らいつきます。
健康な人間が川に落ちたとしてもピラニアに襲われる危険はほとんどないのですが怪我などで出血をしている場合は注意が必要です。
また、乾季で川の中の水量が減ったり、何らかの原因でピラニアの数が増えエサが少なくなると大型の動物に襲いかかることがあり、実際に人間が襲われたケースがあります。
強い顎とするどい歯を持つピラニア

人間など大型の動物を襲うことはほとんどないともいわれてるピラニアですが、いざ襲われてしまうと大怪我を負うことも多く、実際にピラニアに襲われて指を失うという事故も起こっています。
このような事故が起こってしまうのはピラニアが強い顎の力と鋭い歯を持つためです。
ピラニアの噛みつく力は凄まじく、自身の体重の30倍もの力を持つといわれています。かつて生息していたピラニアの祖先のメガピラニアと呼ばれる種類はカメの甲羅も砕いて捕食していたといわれ、その顎の強さはティラノサウルス以上と考えられています。
またピラニアの歯は鋭く、鉄器の発達していない時代は散髪をするハサミ替わりに利用されていました。
飼育にも人気のピラニアは種類が曖昧

ここまで紹介してきたピラニアですが、実はアマゾン川流域をはじめとした南アメリカ大陸の熱帯地域に生息する肉食の魚の総称なのです。
ピラニアと呼ばれる魚の多くは基本的にカラシン目セルラサルムス科セルラサルムス亜科の魚とされていますが例外もいるようです。
日本で最もポピュラーなピラニアはピラニア・ナッテリーという種類で水槽飼育の熱帯魚としても人気の種類です。
映画の誇張で恐ろしいイメージがついてしまったピラニア。飼育でも人気ですが、扱いきれないピラニアを河川に逃がしてしまい、問題になるケースも多くあるようです。
臆病な性質といえども大怪我を負わせる力を持つピラニア。オーナーの方は責任を持って飼い続けていただきたいものです。