鳥類

美しい羽のクジャクは野生化が問題

投稿日:2020年5月10日 更新日:

クジャク

数ある鳥の仲間の中でも、ひときわ美しい羽を持つクジャク。色鮮やかな羽を広げた姿はまさに圧巻です。そんなクジャクはその特徴から仏教にも大きな影響を与えたようです。今回はそんなクジャクについてご紹介していきたいと思います。

クジャクの美しい羽の模様は求愛のため

クジャク

冒頭でも紹介したようにクジャクの最大の特徴は美しい羽の模様です。この1.5メートルにもなる美しい羽はオスにのみ、見られるものでメスのクジャクはオスのクジャクと比べて一回り小さく羽も地味です。
オスのクジャクは春先から初夏にかけての繁殖の時期に求愛のため広げメスのクジャクにアピールを開始します。
羽についている目玉模様は微小なフックのような構造で羽に固定されており、オスのクジャクはアピールのため羽を小刻みに揺らして振動をさせますが目玉も模様は静止を保つことができます。この目玉模様はメスへの最大のアピールポイントになっているようで、目玉模様をが色鮮やかなオスほど多くのメスを魅了できるようです。

仏教の孔雀明王にも影響を与えたインドの国鳥クジャク

クジャク

大日如来に帰依(信仰)し、加持祈禱など神秘主義的な教義を重んずる密教。日本では空海が持ち帰った真言密教や最澄とその弟子が体系化した天台密教が良く知られています。
明王は密教の中で大日如来の命を受け、如来が通常の姿では仏教の教えに従わない民衆を屈服させるため忿怒の形相で帰依させる役割を持っています。
孔雀明王はそんな明王にあたりますが、インドの女神「マハーマーユーリー」から生まれており、女性的な姿をしているためか忿怒の表情をしておらず、柔和な表情をしています。
日本では奈良時代後から信仰されており、真言密教では鎮護国家のため重視されてきました。平安時代の12世紀に書かれた絹本著色孔雀明王像は東京国立博物館に館蔵されており国宝となっています。
孔雀明王はその名のとおりクジャクをモチーフにしています。クジャクは神経毒に対する体制を持っており、サソリやコブラといった害虫や毒ヘビを捕食します。
特にインドでは毒ヘビは悪の象徴に例えられており、毒ヘビを食べるクジャクは人々から災いや苦痛を取り除いてくれる存在と考えられ神格化されました。
このような背景もあり、クジャクはインドの国鳥にも指定されています。

動物園で放し飼いのクジャクは飛べる?飛べない?

クジャク

日本でも多くの動物園で飼育されているクジャクですが、神奈川県の野毛山動物園など中には放し飼いをしている姿も見られます。
クジャクは空を飛んで園外に逃げ出すことはないのでしょうか。クジャクは滅多に飛ぶことはありませんがクジャクの羽には風切羽という空を飛ぶのに必要な羽を持っています。長い距離を飛ぶことはできませんが高いところからは、グライダーのように、低いところからは助走をつけて飛び立ちます。飛ぶ速さは時速16キロほどといわれており、飛んでいる様子は「火の鳥」を思わせる優雅な姿です。

クジャクの野生化問題!食肉に利用も

クジャク

美しく、インドでは神格化されているクジャクですが、実は日本各地で野生化してしまい問題になっているようです。
埼玉県や群馬県、静岡県、三重県、鹿児島県など全国各地で野生化したクジャクが目撃されています。特に沖縄県宮古島では以前ペットとして飼育されていたクジャクが台風により小屋が壊れたことがきっかけで逃げ出し大繁殖をしてしまいました。
繁殖したクジャクは農作物を荒らすほか、虫などを食べ生態系に影響をもたらす恐れがあるため環境省はクジャクを「緊急対策外来種」に指定し駆除を行っています。
宮古島では駆除したクジャクを食肉として利用しご当地グルメとして活用する動きもでています。
ヨーロッパでは見た目が豪華であることからクジャク料理を食べられており、アーサー王伝説にも登場しました。
クジャクの肉は、中世ヨーロッパでは不味いとされてきましたが、処理の方法や調理をきちんとすれば臭みやかたさもなく、美味しく食べることができるそうです。

インドでは益鳥とされているクジャクが、近年の日本では害鳥として扱われいるのは皮肉なものです。飼育も簡単にできるといわれているクジャクですが広い敷地の確保が必要で飼育にあたっては責任を持たなければいけません。

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