
新江ノ島水族館にサンシャイン水族館、八景島シーパラダイスなど日本には多くの水族館がありますが、そこでよく見ることができる動物がオタリアではないでしょうか。
今回はユーモラスな仕草で水族館のショーでも活躍する姿が印象的なオタリア二ついてご紹介していきたいと思います。
オタリアはアシカ?オットセイ?アザラシ?

水族館でオタリアの姿を見た方の中でアシカと勘違いをされた方も多いのではないでしょうか。オタリアとアシカ、そしてアザラシやオットセイとはどのような違いがあるのでしょうか。
オタリアやアシカ、オットセイ、アザラシに加えてトドやセイウチの仲間をひっくるめて鰭脚類(ききゃくるい)と呼びます。彼らはその名のとおり水中生活に適応するため足が鰭のように進化した仲間のことを呼びます。
大まかな分類方法として、アザラシは歩くことができず転がったりすべるように移動をする、アシカは耳たぶがある、セイウチにはキバがあるという分類方法があります。この分類方法に習いオタリアはアシカの仲間に分類されています。
オタリアはアシカ科アシカ亜科オタリア属に属しており、オタリア属唯一の動物となっています。
オタリアは書初めをするほど頭がいい

冒頭でも触れた通り日本の多くの水族館でその姿を見ることができるオタリアは展示だけではなく、ショーで芸達者な側面を見せることも多いです。
そんなオタリアのパフォーマンスで有名なのが横浜八景島シーパラダイスの書初めではないでしょうか。今やお正月の定番になりつつあるパフォーマンスで器用に筆を口に加え、その年の干支を書きます。
オタリアに限らずアシカの仲間は知能が高いといわれており訓練を積むことで様々な芸を覚えることができます。
アシカの仲間は元をたどるとイヌの仲間に行き着くと考えられています。様々な芸を覚え、賢い動物の代表とも言えるイヌの特性を引き継いでいるのかもしれません。
オタリアは天敵のシャチに残酷に食べられる

野生のオタリアにとって最大の天敵はシャチです。「海のギャング」と呼ばれるシャチは海に住む多くの生物にとって脅威となっておりますが、オタリアも例外ではありません。
沿岸を泳いでいるシャチは海岸沿いに生息しているオタリアの群れを狙う際に、波打ち際まで近づいてきます。オタリアの子どもが海の中に入った瞬間シャチたちは猛チャージをかけ、オタリアの子どもを海に引きずり込み捕食をします。このシャチの狩りはオタリアが生息するパタゴニア付近のシャチにのみ見られる習性なのだそうです。
シャチたちの狩りが終わった後、襲ったオタリアを海面上に振り回し放り投げる様子もたびたび見ることができます。これはシャチたちはオタリアを襲い捕食するほかに若いシャチに狩りのトレーニングを経験させるという側面もあるそうです。
オタリアは英語シーライオンたてがみも立派

上でも少し触れましたが、オタリアの生息地はパタゴニアと呼ばれるチリとアルゼンチンにまたがる地域の海岸線の地域が中心です。
オタリアは英語でシーライオンとも呼ばれることもあり、その名のとおりオスのオタリアにはライオンを彷彿とさせる立派なたてがみが生えています。オスのオタリアの体長は2.6メートルほどで体重も300キロになる巨体に加え、太い超えでほえる様子もライオンを思わせます。
そのほかにも1頭のオスが数頭のメスを集めるハーレムを形成する点や、肉食という点でもライオンと共通しています。
オタリアは基本的には魚やイカを捕食しますが、意外にもペンギンを捕食することもあります。
日本中の多くの水族館で姿を見ることができるオタリア。ほかの鰭脚類と混同されがちですが、その姿に注目してみてはいかがでしょうか。