
世界中に生息する鳥の仲間の中でも最大の大きさを持つのがダチョウです。ダチョウは卵やダチョウ自身の家畜としての評価もたかく、動物園だけなく、牧場や一部の自然公園でもその姿をみることもできます。
今回はそんなダチョウについてご紹介していきたいと思います。
ダチョウマスクやスプレーででコロナを撃退?

2020年初頭から日本だけではなく、世界中の経済、文化に大きな影響を与えている新型コロナウィルス。このウィルスの感染拡大によって世界中で生活様式が様変わりするほど影響を与えました。
そんな新型コロナウィルスをダチョウの力で撃退することできるという話があります。
京都府立大の研究がダチョウからコロナウィルスの抗体を開発しているという話から広まったようです。
ダチョウは他の動物たちと比べてもケガや感染症に強いことから着想を得たとのことで、ダチョウの卵の黄身に特殊な液体をまぜ専門の機械にかけることで、抗体を抽出できるそうです。
このような方法で抽出された抗体はマスクやスプレーなどに活用されています。
ただし、抗体をこれらの商品は医薬品や医薬部外品の指定を受けていないため、各自の判断で使用をすることが大切です。
最大の鳥ダチョウのスケールと寿命

世界最大の鳥であるダチョウですが、その大きさはどのくらいなのでしょうか。
ダチョウはメスよりオスのほうが一回りほど大きく、メスの体高は最大で2メートルほどですが、オスの体高は2.5メートルほどにもなります。
重さもオスメスともに100キロを超え、オスは130キロにも達します。
鳥の仲間で2番目の大きさを誇るエミューは最大でも2メートルほどでメスのダチョウと同じくらい、重さにいたっては40キロでダチョウの半分以下と、エミューと比べてもダチョウは大きさで圧倒していると言えます。
卵の大きさも、もちろん鳥の仲間の中で最大の大きさで直径は15センチから18センチ。重さは1.5キロにもなり、ニワトリのたまごと比較すると30倍以上の質量をもちます。
ダチョウの卵の黄身は世界最大の細胞でもあります。
大きな体を持つダチョウは寿命も長く、野生下では50年から55年生きるといわれていますが、人間の飼育下では野生よりも寿命が短い傾向があるようです。
空を飛ぶのをやめたダチョウの足は速いが頭が悪い

ダチョウといえば、陸上を住処にしている鳥で空を飛ぶことはありません。これは鳥類のなかで2番目の大きさを持つエミューや絶滅した巨大な鳥のモアなど大型の鳥にも共通する特徴です。
これら空を飛ばない鳥の仲間はもともと、空を飛ばない鳥の仲間が進化をしたと考えられていましたが、近年の研究では、それまで空を飛んでいた鳥の仲間のうち恐竜が絶滅したことで、捕食者の少なくなった陸上に生活環境を見出したものが進化した可能性が考えられています。
陸上に適応したダチョウは飛べない代わりに凄まじい脚力を手にしており、最高速度は時速70キロにも達するといわれています。ダチョウの走りの凄いところは速さではなく、持久力で、速度を維持したまま30分以上走りつづけることができます。
一方でダチョウは巨体の割に脳みそが小さく、わずか40グラムしかありません。ダチョウの眼球は60グラムほどなので脳みそが眼球より小さいことになります。
脳の大きさも影響しているのか、ダチョウの記憶力は低く、毎日顔を合わせる飼育員を覚えることができなかったり、他の群れと入り乱れると一緒に過ごしていた家族を忘れてしまうといったエピソードがあります。
体の大きさや身体能力から威圧感を感じる一方、意外に頭が悪い憎めない一面もあります。
古くから人間に近い存在でもあるダチョウですが、未知のウィルスに対しての希望にもなるかもしれません。