
世界三大珍獣と呼ばれる動物をご存知でしょうか。「ジャイアントパンダ」、「コビトカバ」そして「オカピ」です。大ブームを巻き起こしたジャイアントパンダや日本人にもおなじみのカバの仲間であるコビトカバに比べてオカピについてあまり知らない方も多いのではないでしょうか。
今回はそんなオカピについてご紹介していきたいと思います。
オカピが発見されたのはつい最近?

神奈川県横浜市にある「よこはま動物園ズーラシア」の看板的な動物として、日本でもその名が知られるようになったオカピですが、実はその存在が実際に確認されたのは20世紀に入ってからなのだそうです。
それまでオカピは現地・アフリカに暮らす先住民によって知られていたものの、正式に確認をされていおらず、いわゆるUMAのような存在でした。
そんなオカピが発見されたのは1901年のこと。「まだ知られていない動物」とされていたオカピを長年探し求めていたイギリスの探検家ハリー・ジョンストンによって発見され、広く世界に知られるようになりました。
体長も大きく特徴的な姿をしているオカピが近年まで知られていなかった理由は、生息地がかつて「暗黒大陸」と揶揄されたアフリカのジャングルの中であったこと、臆病で神経質な動物であるため、なかなか人前に姿を現さなかったことに加えて個体数が極端にすくないことが挙げられます。
現在においても、オカピの野生下の生態はよくわかっていないそうです。
森の貴婦人と呼ばれるオカピの名前の由来

オカピの姿で最も目を引くのは後ろ脚から臀部にかけてと前足に見られる、シマウマを連想させるような美しいしま模様です。このしま模様は森の中で敵の目を欺くカモフラージュになる他に仲間同士を判別する役割があるのですが、この優雅な姿とジャングルに住む生態から「森の貴婦人」と呼ばれています。
そんなオカピですが、特徴的な名前の由来はどこからきているのでしょうか。「オカピ」は生息地であるアフリカのコンゴ共和国に住む先住民族であるピグミー族の言葉で「森のウマ」一説には「森のロバ」といった意味があるそうです。
オカピは、英語での名前もオカピであるほか、ドイツ語、フランス語、イタリア語など各国の言語でもオカピと呼ばれています。
ピグミー族はオカピの毛皮を生活に使用することもあり、ハリー・ジョンストンがこれに目をつけ上述のオカピ発見につながったそうです。
ちなみにこの毛皮から当初、オカピはシマウマの仲間と考えられていました。しかし、オカピはピグミー族の考えていたようにウマやロバの仲間でなければ、シマウマの一種でもなく、キリンの仲間だということがわかっています。
数少ないキリンの仲間オカピの特徴

上でも少し触れたようにオカピはキリンの仲間であることがわかっています。
実は、キリンの仲間であるキリン科の動物の数は少なく、現存しているのはキリンとオカピの2種類のみです。
オカピのキリンに近い特徴としてあげられるのは蹄です。キリンやオカピはウシに代表される偶蹄目に属しており蹄が2つに割れています。一方で姿がオカピによく似ているシマウマはウマの仲間ということで奇蹄目に属しており蹄は割れていません。
また、キリンの頭には大きな耳がある他に毛皮に覆われた2本の角が確認できます。この頭の形はオカピにも共通で見ることができます。
キリンとオカピに共通する3つ目の特徴は長く青白い舌です。この舌は40センチほどもあるとみられ、耳まで届くほどです。
オカピとキリン木の葉をこの長い舌を器用に使い巻き取るように食べています。オカピの食性は木の葉のほかに果物やシダ、キノコなど。またミネラルを摂取するためにで塩分の含んだ泥を食べることもあります。
また、キリンほど大きくはないオカピですが体長は大きいものでは2.5メートル、体高は2メートルにもな達し、オスよりもメスのほうが大きな体をしているのも大きな特徴です。
近年までネッシーや雪男といったいわゆるUMAと同じような位置づけだったオカピは発見から100年ほどたった今でもまだまだ謎も多い未知の動物です。
個体数が少なく絶滅が心配されるオカピを守っていく取り組みが求められています。