
ライオンやトラなど日本人にもよく知られている肉食獣が多いネコ科の動物ですが、その仲間でも特に美しいといわれているのがオセロットです。
今回は名前は人気ゲーム「メタルギア」シリーズの登場人物「リボルバー・オセロット」の名前の由来にもなったオセロットについてご紹介していきたいと思います。
オセロットの名前の由来はアステカ神話

冒頭でもご紹介した通りネコ科の肉食獣のオセロット。ネコ科の肉食獣といえばライオンやトラなど大型なものを連想してしまいがちですが、オセロットの大きさは65~120センチほどで、ちょうどペットとして一般的に飼育されているイエネコの2倍ほどのサイズです。
オセロットの生息地は主に南アメリカ大陸の熱帯雨林地域ですが、メキシコやアメリカ合衆国のテキサス州など北アメリカの地域にも生息しています。
環境適応能力が高く、かつては北アメリカ大陸南部から南アメリカのアルゼンチン北部など標高1200メートル以下の地域に広くにも生息していました。
オセロットの名前の由来として、現在のメキシコ地域で繁栄したアステカ王国に伝わるアステカ神話にあるとされています。
アステカ神話に登場するジャガーの化身とされる「テスカトリポカ」が変身する怪物「オセロット」からきているといわれています。
一方でメキシコ語で「野生のトラ」という意味を表す「トラロセロトル」が由来という説もあるようです。
美しいヒョウ柄のオセロットはペットとして飼育できる?

オセロットの一番の特徴といえば美しい体の模様です。ヒョウやチーター、ジャガーなどと同じく、「ヒョウ柄」と形容される黄色い地色に黒い円の模様を持っています。体の円模様はヒョウとジャガーの中間程度の大きさで、ネコ科最強の美しさを持つともいわれています。
美しいオセロットの毛皮は非常に高値で取引をされており、この毛皮をコートやマフラーなどにするため、乱獲をされてしまい急激に数を減らしてしまい、地域によっては絶滅危惧種に指定されています。
特にアメリカではテキサス州に50頭ほどが生き残っているのみで日本のトキのように他の地域の個体を持ち込み、個体数を増加させる取り組みが行われています。
また、オセロットは非常に人に慣れやすく、日本国内では猛獣に指定されているため一般家庭で飼育することはできませんが、アメリカ国内ではペットとして飼育をすることが可能です。かつては20世紀を代表するシュールレアリスム画家のサルバドールダリがペットとして飼育していたことも有名です
木登りが得意なオセロットの特徴

上述のとおりオセロットの主な生息地は南アメリカ大陸の熱帯雨林です。夜行性で昼のあいだに活動することもあるのですが、ほとんどは洞窟や木の上などで休んでいます。
オセロットは平地で活動することがほとんどですが、ジャガーなどと同様に樹上生活に適した体の構造を持っています。
また、ネコ科の動物としては珍しく水を嫌がることをせず、泳ぐことが可能です。
オセロットのエサはウサギやネズミ、リスザル、魚やイグアナといった小型の動物が主なのですが、カピバラなど大型の動物を襲うこともあります。オセロットの歯は獲物をしとめるキバと肉を切り裂く歯があるのみで切り裂いた獲物を咀嚼せず丸のみにするそうです。
上述のとおり美しい毛皮目当てに乱獲をされたオセロットですが、実はアメリカ国内では、交通事故の被害にあい数を減らしている一面もあります。
オセロットの生活域が減少し、道路などに出てきてしまうことが一因になっていることもあり、人間の影響でオセロットの数が減ってしまった現状があるようです。