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巨大なリュウグウノツカイの味と泳ぎ方

投稿日:2019年10月21日 更新日:

リュウグウノツカイ

宇宙と並び、未だを多くの謎が残されている深海。多種多様な生物が生息していますが、その中でも個性を放っているのがリュウグウノツカイです。
2014年には寉岡萌希さんと武田梨奈さんが主演した映画のタイトルにもなりご存知の方も多いのではないでしょうか。
今回はそんなリュウグウノツカイの特徴についてご紹介していきたいと思います。

巨大なリュウグウノツカイの最大の大きさ

リュウグウノツカイ

リュウグウノツカイは、普段水深200メートルから10000メートルの深海に生息しているため、なかなかその姿を確認することはできません。
しかし、年に数回海辺に打ちあがることがあり、その際に巨大な姿を目にすることができます。
リュウグウノツカイは深海魚はもとより、サメやエイなど骨格がすべてできている軟骨魚類を除いた魚の中で最大の大きさを誇っています。
細長いリュウグウノツカイの全長は平均3メートルほどですが、記録上最大のものは11メートルというものが確認されており、その重さは272キロにも達したということです。
この巨大なリュウグウノツカイは同じ深海に住むラブカとともに空想上の生物シーサーペントのモデルになったとも考えられています。

タチウオにも似たリュウグウノツカイは泳ぎが苦手

リュウグウノツカイによく似た形のタチウオ

上でも少し触れましたがリュウグウノツカイは細長い形をしており、銀色の体色が特徴的です。その姿はタチウオによく似ています。
タチウオは漢字で「太刀魚」と書き、字のごとく体の形が太刀に似ていることからこのように呼ばれています。タチウオの泳ぎ方もその名に通じており、海の中を直立姿勢で泳ぐ特徴があります。
姿がよく似ているリュウグウノツカイも同様の泳ぎ方をしており、深海をまっすぐに直立した姿勢で漂うように泳いでいます。
タチウオとリュウグウノツカイはともに遊泳能力が低く、このようにな泳ぎ方に行き着いたと考えられています。
そのほかにリュウグウノツカイとタチウオの共通の特徴として、ウロコを持っていないことがあげられます。
このような共通点からタチウオとリュウグウノツカイは近い仲間かと思われますが、タチウオはスズキ目サバ亜科タチウオ科の魚であるのに対し、リュウグウノツカイはアカマンボウ目リュウグウノツカイ科に属する魚で全く異なる種類の魚です。
加えてタチウオは食肉性の魚ですが、リュウグウノツカイのエサは主にプランクトンでおとなしい性質を持つ魚です。

リュウグウノツカイの味

リュウグウノツカイは卵の白身のような食感

タチウオは唐揚げやムニエルなど火を通した料理のほか、脂がのっていることから刺身でもおいしく食べることのできる魚ですが、似た姿を持つリュウグウノツカイの味はどうなのでしょうか。
リュウグウノツカイの身は水分が多く火を通してもべちゃっとした食感で、卵の白身のような食感でお世辞にもおいしくないのだそうです。

リュウグウノツカイの人工孵化

リュウグウノツカイ

深海に生息するリュウグウノツカイはまだ謎が多く、特に生きた姿を確認できる機会は非常にマレです。そんなリュウグウノツカイの人工授精と人工孵化を2019年に沖縄の美ら海水族館が成功させました。
沖縄の読谷村で網にかかったリュウグウノツカイのオスとメスから精子と卵子を取りだすことに成功し、ダメもとで人工授精を試みたところ細胞の分裂が認められ、2週間ほどで20匹の稚魚を孵化させることに成功。7ミリ程度まで育てることができたのですが、その後すべての稚魚は全滅してしまいましたが、この人工孵化の成功は今後生きたリュウグウノツカイを展示できる可能性も秘めた大きな進歩です。

リュウグウノツカイはその巨体やグロテスクなとは裏腹にプランクトンを食べるおとなしい性質や独特な泳ぎ方をする以外な一面があることがわかりました。人工孵化が成功したことで将来その奇妙な姿を実際に見ることができるようになるかもしれません。

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