哺乳類 海・川・水辺に住む仲間

イルカ?クジラ?イッカクは意外な味と飼育している水族館

投稿日:2019年9月9日 更新日:

イッカクのイラスト

体に角をもう生物は数多く存在しますが、イッカクほど強烈な印象を与える角を持つ動物もなかなかいないのではないでしょうか。今回は北の海に住む珍しい生物であるイッカクとその生態についてご紹介していきたいと思います。

イッカクはクジラ?それともイルカ?

イッカクに近い動物イルカ

大きな角が印象的なイッカクですが、魚ではなくれっきとした哺乳類です。海に生息する魚に似た哺乳類の代表格はイルカとクジラですが、イッカクはクジラとイルカどちらにあたるのでしょうか。
実はクジラとイルカは生物分類学上の血がいはなく、両者の違いはその大きさのみなのです。
明確な定義はないようなのですが体長が4メートルを以上のものがクジラ、4メートル以下のものをイルカとして分類されることが多いようです。
イッカクは大きいものは全長が4.5メートルほどになりますのでクジラに当たります。
通常のクジラとイッカクの違いは大きな角ですが、ほかにイッカクは非常に用心深い生物で絶対にジャンプをしません。
生物学区上の分類は偶蹄目イッカク科に分類されており、このイッカク科に所属する生物はイッカクのほかに、ベルーガとも呼ばれているシロイルカのみです。イッカクは年齢を重ねるにつれて体色が白くあるため、高齢のイッカクはシロイルカに誤認されることもしばしばあるようです。
この2種はまれに交配することもある他、カナダではシロイルカの群れに混ざる若いイッカクの姿が確認されたこともありました。
また、イヌイットにはイッカク神話と呼ばれる神話があります。ある女性がモリをにしがみついたまま海に引きずり込まれました。やがて女性にシロイルカが包まり銛は牙(角)に代わりイッカクとなったものです。
近縁種同士、イッカクとシロイルカのかかわりは深いようです。

スポンサーリンク

イッカクのいる水族館とウォッチング

イッカクのイラスト

伝説上の動物である考えられていた時期もあるイッカク。その神々しい姿を実際に見てみたい方も多いのではないでしょうか。
しかし現在、イッカクを飼育している動物園は日本はおろか世界中見渡してみてもひとつもありません。
イッカクはとても神経質な動物で水族館など、人間の飼育下では長く生きることができないのです。
最期にイッカクを飼育しようとした試みは1970年。カナダで捕獲した個体がアメリカ・ニューヨークの水族館に送られ飼育を試みたのですが1か月足らずで亡くなってしまいました。
野生のイッカクは50年ほど生きるともいわれており、それが1か月ほどしか生きられないということはイッカクの飼育がそれだけ難しいことを物語っています。
またイッカクの大きな特徴である角をケアできる環境を用意できないことも水族館で飼育ができない要因になっていっるようです。
飼育下で姿を目にすることができないイッカクですが、野生の個体をウォッチングするチャンスはあります。
イッカクの生息地は北極海の沿岸地域で氷きっていない氷海の海域です。
時期にもよりますが、カナダの北部バフィン島北部にあるポンドインレットはイッカクが回遊する地域として有名で5月末から6月ごろ白夜ともにイッカクをウォッチングすることができるため多くのツアーが組まれています。

イッカクはビタミン豊富でナッツの味

イッカクの肉と同じ味といわれるナッツ

大きな角を持つイッカクですが、装飾品や漢方薬などその角を目当てに狙われることも多い動物です。
数も減少傾向にあり、現在は準絶滅危惧種に指定されています。
現在、イッカクの捕獲は禁じられていますが、伝統的なイッカク猟の文化が残るイヌイットに対してはイッカクの捕獲が許されています。イヌイットによって捕獲されたイッカクは食用とされています。イヌイットはイッカクを生で食べるのですが、生の脂身はヘーゼルナッツに似た味といわれ、30グラムでオレンジ1個分相当のビタミンCが含まれていると言われています。
イヌイットの人々はイッカクの肉を冬に向けて大量に貯蔵し冬場のビタミン摂取に役立てています。

いかがだったでしょうか。大きな角を持ち、雄々しい印象も感じられるイッカクですがその一方で実は神経質だったり、シロイルカとの関係など意外な一面もあるようです。

スポンサーリンク

-哺乳類, 海・川・水辺に住む仲間

執筆者:

関連記事

ユニコーンにも見えるイッカクの角の秘密

北の海に生息する大きな角が特徴的な生物イッカク。広い海の中でもこのような特異な巣が他形をしている生物はほかにいません、今回はまだまだ謎が多いイッカクの角の秘密についてご紹介していきたいと思います。 イ …

ワオキツネザルは見た目通りの性格でオスが弱い?

南の島に暮らすサルとして日本の動物園でもよく見かけるワオキツネザル。実はそのとぼけた表情のどこか憎めない姿とはまたちがった生態を持っている動物です。今回はそんなワオキツネザルのイメージを変える生態につ …

ゾウが暴れる理由は?執念深く恨みは一生忘れない

動物園でも1,2を争う人気を持つゾウ。大きな体でのんびり動く姿や童謡「ぞうさん」でのほのぼのとしたイメージから穏やかな性格だと思われがちですが、ゾウのが生息する地域では集落が襲われることも珍しくなく多 …

ドラクエにも登場!マンドリルの顔の色の理由

動物のなかには時折、色鮮やかな体色を持つものが時折見られます。体色を様々に変化させるカメレオンや目玉のような美しい模様を持つクジャクなどが有名ですが、サルの仲間のマンドリルは色鮮やかな顔を持ちます。今 …

水族館でも人気!瀬戸内海の象徴スナメリ

水族館でおなじみのイルカ。賢いうえに愛らしい見た目でまさに水族館を代表するスターです。 そんなイルカの仲間のなかでも日本近海に生息する代表的な種がスナメリです。今回は日本人にも愛されているスナメリにつ …