哺乳類 砂漠・草原に住む仲間

社会性とチームワークを持つリカオンは神話が由来

投稿日:2019年9月21日 更新日:

リカオン

アフリカのサバンナに住む肉食動物といえばどんな動物を思い浮かべるでしょうか。百獣の王と呼ばれるライオンや獰猛なワニ、ずる賢いイメージのハイエナを思い浮かべた方もいるでしょう。アフリカに住む犬の仲間リカオンもアフリカのサバンナに住む肉食獣なのですがイマイチ知られていません。いったいリカオンとはどんな動物なのでしょうか。今回はそんなリカオンについてご紹介していきたいと思います。

くしゃみで投票も高い社会性を持つ動物リカオン

リカオンはくしゃみで狩りをするか決める

冒頭でも触れた通り、アフリカは野生の王国と呼ばれるとおり、多種多彩な動物たちが生息しています。
ライオンなど、よく知られている肉食獣も多くいるのですがリカオンについてはあまり知られていません。リカオンの生息域はアフリカでもサハラ砂漠以南の地域で、主に標高3000メートル以下の草原やサバンナに生息していますが、キリマンジャロ山脈付近の高地で確認されたこともあります。
犬のような見た目で体には茶色、黒、黄色、白など不規則な体毛におおわれています。
リカオンの特徴的な生態としてあげられるのは高い社会性を持つことです。
数頭から30頭近く、大きなものでは40頭から60頭にもなる、パックと呼ばれる群れで集団生活を行っており、単独行動をするものはほとんどいません。
群れの構成はオスを中心とした血縁を持つもの同士で構成をされるのですがパックのリーダーはメスが務めます。群れの中ではオス、メスそれぞれにリーダーがおり、メスのリーダーは群れの中で最も年齢が高い個体が務めますが、オスノリーダーは必ずしも年齢順ではないようです。また、メスはある程度成熟するとパックを離れ別のパックに移ります。
また、リカオンの高い社会性を垣間見ることができる特徴はパック内で投票を行うことです。
最近の研究によるとリカオンが狩りに出かけるか否かについて合意形成を図るためにラリーと呼ばれる会議を開催すのですが、賛成する者はくしゃみをすることで意思表明をします。

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生きたまま捕食?最強のチームワークを誇るリカオン

リカオンの武器は抜群のチームワーク

リカオンはライオンやハイエナをはるかに凌駕する高い狩りの成功率を誇ります。
主な肉食獣の狩りの成功率はヒョウは高くとも40%ほど、ライオンが30%ほどとされていますが、リカオンの狩りの成功率は60%を超え、時には85%にものぼるともいわれています。
なぜリカオンが高い狩りの成功率を誇るのでしょうか。
その秘密はリカオンの抜群なチームワークと体力です。
リカオンは他の肉食獣と比べても群を抜いたスタミナの持ち主です。1日の移動距離は数十キロともいわれており、1か月では2000~4000キロほども移動するといわるほどの体力の持ち主です。このスタミナから狩りの際には最高時速60キロものスピードで獲物をしつこく追い回すそうです。
また、上でも触れたようにリカオンはパックと呼ばれる群れで生活をし、高い社会性を持っています。
リカオンはこのパックで協力をして狩りを行います。数頭ごといくつかのまとまりに別れ四方八方から獲物を襲撃します。
この狩りで仕留めた獲物は生きたまま内臓を捕食します。
残酷だという見方もありますが、他の肉食獣に横取りされないようにするため、相手にとどめを刺すほどの力がないためという理由が考えられています。
パック内で獲物を捕食する順番も決まっており、子供から順番にエサを食べていきます。

リカオンの由来はギリシャ神話

リカオンの名前の由来はゼウスに姿を変えられたリュカーオーン

日本名のリカオンという名称は学名である「Lycaon pictus」が元になっているといわれています。学名は「色を塗ったオオカミ」という意味があり、独特な色の体毛を持つリカオンをの特徴を表しています。
学名のなかでオオカミを表す「Lycaon」ですが、ギリシャ神話に登場する不信心のためゼウスにオオカミの姿に変えられたリュカーオーンが由来になっています。

日本ではほとんど見ることができないこともあり、あまり知られていないリカオンですが、高い体力と社会性に加えて抜群のチームワークでハンティングを行うなど、他の動物にない個性を持つ動物でもあります。
現在、数が減少し絶滅が心配されているリカオンに思をはせてはいかがでしょうか。

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