
ブタといわれていますがブタのようでブタではない、アリクイのように見えますがアリクイとはまた違う珍獣のツチブタ。
今回は珍しい動物のツチブタについて
1.生態について
2.人間とのかかわり
以上について紹介していきたいと思います。
Contents
ツチブタってどんな動物?

ツチブタは頭が弱い
ツチブタは実はかなり弱い生き物なのです。
ツチブタはの頭蓋骨は非常にもろく、強くたたくと簡単に絶命してしまいます。
一説にはきわめて臆病なツチブタは物音に驚き慌てて駆け出したことで頭を気にぶつけてしまい、命を落としてしまったこともあるそうです。
頭蓋骨が極端にもろく弱い理由には、ツチブタの食生活が大きく影響しています。
ツチブタは主にアリやシロアリを粘着質の長い舌を駆使して食べるのですが、舌を出す際に邪魔になる門歯や犬歯が退化してしまっています。
歯が退化しているため、食物を咀嚼することもないので顎の力が弱まり、結果的に頭蓋骨の発達せずもろくなってしまったそうです。
アフリカならではのツチブタの天敵

ツチブタの生息地はサハラ砂漠より南のアフリカとなっています。アフリカには数多くの動物も生息していますが、ツチブタの天敵はどんな動物なのでしょうか。
ツチブタの天敵はやはりライオンやヒョウ、ハイエナといった大型の肉食動物です。
ツチブタは非常に警戒心の高い動物で優れた聴覚を生かし、天敵の気配を感じ取ります。天敵の気配を感じ取ったツチブタは非難をするため鋭い爪を使い短時間で穴を掘り自分の身を隠します。
子供のツチブタでも穴を掘る能力はすぐれており、大人のツチブタとほとんど同じような穴を掘ることができます。
そんな臆病なツチブタですが、穴に隠れる前に敵に見つかってしまう場合もあり、ひっくりかえって足をばたつかせ、鋭い爪で反撃をおこなうこともありますがたいてい抵抗むなしく捕食されてしまいます。
ツチブタと人間
ツチブタは古代から姿が変わらない生きた化石

古代から姿のかわらない生きた化石といえばシーラカンスを真っ先に思い浮かべた方も多いのではないでしょうか。
3億年ほど前から姿が変わらないシーラカンスと比較すると歴史が浅いのですが、ツチブタも6500万年前から姿が変わっておらず、生きた化石とも言っても過言ではありません。
キリスト教やイスラム教が広まる前の古代エジプトで伝承されたエジプト神話に「セト」という神が登場します。
頭部が動物で体が人間であるセトは様々な姿が描かれていますが、壁画に描かれた姿はツチブタの頭を持っており、古代エジプトの時代においてもツチブタが身近な動物であることが推測されます。
また、生きた化石といわれているツチブタですが、上述のとおり頭蓋骨が非常にもろいため、化石の記録は乏しいそうです。
ツチブタは食用にもされて味はおいしい?

上でも触れたようにツチブタはエジプト神話で神の姿にも反映されています。それだけ現地の人々に身近な存在であり、かつ神秘的な存在でもあったようです。
そんな神秘性から、ツチブタの歯や爪をお守りにするほか、食用、薬用にする民族もいるそうです。
また、現地のイスラム教ではツチブタはブタの一種であると考えられており、ブタを食すことが禁忌とされているのと同様にツチブタの食用も禁忌とされています。
もっとも現在は、開発により生息地の環境破壊のため、生息数が減少してるので今後、ツチブタを食べる機会はなくなるかもしれません。
ツチブタの肉は美味であるとされており、味はブタによく似ているともいわれています。
くまのプーさんのピグレットの正体はツチブタ?
A.Aミルンの児童小説でディズニー映画でもお馴染みのくまのプーさん。主人公のプーさんの親友といえばピグレットですが、このピグレットのモデルは子ブタともツチブタであるともいわれています。
他の登場人物と同様に100エーカーの森の住民で、誠実ですが少し臆病な名脇役です。
くまのプーさんが初めてディズニー映画に登場した際に、原作で親友として描かれていたピグレットは登場しなかったのですが、原作ファンからの強い声で登場を果たしたというエピソードもあります。
いかがでしたでしょうか。打たれ弱く、天敵も多い上に美味であるツチブタですが人間が文明社会を築いたころにはすでに存在をしていたと考えるととても不思議な動物であるように思えます。
そんな不思議な魅力を持つツチブタに古代エジプトの人々も神の姿を重ね合わせていたのではないでしょうか。