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キリンビールでおなじみのキリンでも動物園のキリンとちがう?

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キリン

暑い夏の季節といえば、枝豆にビルを連想する方も多いのではないでしょうか。近頃ではクラフトビールなどが注目されている一方で、大手のメーカーで販売されているビールの人気も揺るぎません。そんな日本のビール業界で高いシェアを誇っているのがキリンビールですが、ラベルに描かれている動物は動物園で見かけるキリンとは全く別物です。
キリンビールでおなじみのキリンは私たちの知っているキリンとどんな関係なのでしょうか。

キリンは麒麟?中国の想像上の生き物

キリン(麒麟I)は中国の伝説の動物

キリンビールのラベルに描かれている麒麟はアフリカに住んでいるキリンとは全く異なる動物です。
実は麒麟は中国の想像上の動物で、孔子の「春秋」にも登場しています。特徴や容姿は歴史や文献によって様々ですが、「体はシカ、尾は牛、角が1本ある」という特徴がよく見られます。文献にもよりますがオスを「麒」メスを「麟」を合わせて麒麟と呼ぶという説もあります。
一説には麒麟は獣類の長と呼ばれ、同じく中国の想像上の動物で鳥類の長と呼ばれる鳳凰と対比されているほか、「仁獣」と呼ばれるほどやさしい性質で、虫や草を踏むことも嫌うほど慈悲深いとされています。
中国では慶事の際や王の政治が安定し、民のために善政をした際に現れるといわれています。一方で、麒麟を傷つけることは不吉を呼ぶという話もあるようです。

麒麟にまつわる様々な伝説

キリン(麒麟)

麒麟は天下泰平のしるしと呼ばれており日光東照宮や正倉院の書物、京都祇園祭の山鉾でも見ることができます。
また、日本橋の麒麟像は有名で日本橋の四隅にいる獅子に対して橋の中央に左右2体ずつ麒麟の像が設置されています。この麒麟の像の大きな特徴といえば、背中に翼が生えていることでしょう。この麒麟像の制作に携わったのが彫刻家の渡辺長男氏で、慶事や政治の安定した際に現れる神獣の麒麟は東京都の繁栄を表し、類を見ない背中の翼は、日本橋が五街道の出発地点であることから各地へ羽ばたくということを意味しています。
また2012年に映画公開され話題になった、東野圭吾の推理小説「麒麟の翼」は舞台が日本橋ということでこの麒麟の像からタイトルが名付けられました。

キリンビールが麒麟を選んだ理由

キリンビールでもお馴染み

中国の伝説上の生き物である麒麟が日本で広く知られるようになったのは、やはりキリンビールでしょう。
1885年にキリンビールの前身となる「ジャパン・ブルワリー・カンパニー」が創業されました。「ジャパン・ブルワリー・カンパニー」の経営には三菱財閥の岩崎弥太郎や一万円札の肖像となり「日本資本主義の父」と呼ばれる渋沢栄一も関わっていました。
1888年に初めて麒麟ビールを販売開始。当時輸入されるビールには動物描かれたラベルが多かったことから、「ジャパン・ブルワリー・カンパニー」の経営にかかわっていた三菱財閥出身の荘田平五郎が「東洋の霊獣である麒麟」をパッケージに提案しました。
当初は朝日を浴びて駆けだそうとしている麒麟というデザインで、「ジャパン・ブルワリー・カンパニー」の創設に影響を与えた「スプリング・バレー・ブルワリー」の製造していたボックビールのパッケージであった山羊のデザインをヒントにしたといわれています。
現在のデザインとなったのは、発売の翌年となる1889年。長崎の観光地「グラバー邸」でも有名なトーマス・ブレーク・グラバーが提案をし、大きな麒麟が描かれたデザインとなりました。
このパッケージの麒麟には「キ」「リ」「ン」の文字が隠れているということは有名ですが、1933年の資料ではすでに採用されていたことが明らかになっています。

キリンが麒麟と呼ばれた理由

キリン

首が長く動物園でもおなじみのキリンですが、なぜこの動物が伝説の生き物である麒麟の名を名付けられるようになったのでしょうか。
キリンが初めて中国で確認された記録は明の時代、鄭和の南海遠征によりアフリカから様々な動物が、時の永楽帝に献上されました。永楽帝は特にキリンを気に入ったことから「実在の麒麟」として呼ぶようになりました。
1907年上野動物園にキリンが初めてやってきた際の園長により上記の逸話にのっとり和名をキリンとしたことで広くその名が知られるようになりました。
一説には伝説のキリン購入の資金を捻出する口実として伝説上の麒麟の名を出したともいわれています。

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