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キリンのような首のジェレヌクを見られる動物園

投稿日:2019年10月27日 更新日:

ジェレヌク

野生動物の楽園であるアフリカには多くの草食動物が生息しています。そんなアフリカの草食動物の中で個性的な見た目であるのにも関わらず、なかなか知られていないのがジェレヌクではないでしょうか。
今回はそんなジェレヌクについてご紹介していきたいと思います。

とにかく小顔なジェレヌクのキリンのような長い首

ジェレヌクはキリンのような長い首

日本人にはあまりなじみのないジェレヌク。英語表記の「Gerenuk」をそのままカタカナに直したもので、他にも「ゲレヌク」という呼び方や別名の「ジラフアンテロープ」それを日本語に直訳した「キリンレイヨウ」といった呼び方もあります。
ジェレヌクの特徴として真っ先にあげられるのはその個性的な見た目ではないでしょうか。
ジェレヌクの肩高は80センチから100センチほどですが、すらっとした長い首を持っておりで体長は140cmから160センチほどになります。頭は小さく、余計にジェレヌクのスマートな印象を持たせています。
小さな頭に対して比較的大きな耳を持っていますが、この耳は暑さの厳しいアフリカの気候で熱を逃がす効果があります。
ジェレヌクの長い首はキリンによく似ており、英名の「Gerenuk」はアフリカ大陸に住むソマリ族の言葉で「キリンの首」という意味があります。
この長い首はキリンと同じく、高いところに生えているやわらかい葉を食べることに役立つほか、周囲を広く見渡すことができることから外敵をいち早く見つけることが可能なので事前に危険を回避することができます。

ジェレヌクの生息地と独特な食事法

ジェレヌクが好むアカシア

冒頭で紹介した通り、ジェレヌクの生息地はアフリカ大陸の中央部のケニアやソマリア、タンザニアまた、エチオピアやジブチです。生息地により2種類に分類され、南の地域に生息しているものがミナミジェレヌク、北の地域に生息するのがキタジェレヌクとされています。
ジェレヌクの生息している地域は半砂漠化したサバンナなど乾燥した地域に生息しています。
ジェレヌクが生息している地域は乾燥のため水を直接飲むことができる機会はマレです。そのためほとんど水を飲むことはせず必要な水分は主食としている葉や木の実から摂取できるように適応していきました。
ジェレヌクはアカシアを好んで食べるのですが、このアカシアは常緑樹で年間を通じて葉をつけることが好む理由だと考えられます。
ジェレヌクは上でも触れた通り長い首を持つという特徴を生かして高い位置にある葉を食べるのですが、より高い位置にある葉を食べようとする際には後ろ足だけで立ち上がり、まるでパン食い競争のようなユーモラスな恰好で食事を行います。

ジェレヌクのリッパな角と群れ

ジェレヌクの角はS字

ここまで紹介してきた長い首やユーモラスな食事方法に目が向きがちですが、ジェレヌクはレイヨウの仲間ということもあり、頭には立派な角が生えています。
ジェレヌクの角はオスにのみ生えており、S字に伸びています。
この角は平均で36センチほどだといわれており、最大で44センチにもなるといわれています。
また、ジェレヌクのオスはメスと子どもあわせて5頭前後で群れを作って暮らしているとされています。

ジェレヌクを日本で見られる動物園

ジェレヌクが飼育されていた富士サファリパークがある富士山麓

日本ではイマイチ知名度の低いジェレヌクですが、日本で実際にその姿を見ることはできるのでしょうか。
悦論から言ってしまうと、現在日本でジェレヌクを飼育している動物園はないようです。
1980年代に静岡県にある富士サファリパークがジェレヌクの飼育を行っており、日本で初めて繁殖に成功した記録が残っていますが、現在は日本でその姿を見ることはできないようです。
世界的に見ても飼育、繁殖の例は少ないそうですが、海外の動物園に目を向けるとアメリカのサンディエゴ動物園で飼育されているのが有名です。
ただし、飼育下では大きな特徴である後ろ足での立ち姿を見ることはできないようです。

他の動物と比べても個性的なジェレヌクですが、知名度がイマイチなのはやはり実際に目にすることができる機会が少ないことが原因なのではないでしょうか。機会があればアフリカでサファリに参加してみてはいかがでしょうか。

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