
1984年に公開された、「風の谷のナウシカ」は今なお根強い人気を誇る宮崎駿監督の長編アニメーション映画です。
その劇中に登場する生き物で最も印象的だったのはキツネリスのテトではないでしょうか。
もちろん、作中のみに登場する架空の動物なのですが、そんなキツネリスにそっくりなのがフェネックギツネです。
今回はかわいくて人気も高いフェネックギツネについてご紹介していきたいと思います。
耳がかわいいフェネックギツネはサハラ砂漠が生息地

アニメの世界から飛び出してきたような、可愛らしいフェネックギツネですが、生息地はモーリタニアやモロッコ、スーダン、エジプトなど北アフリカ全域の乾燥地帯に分布しており、過酷なサハラ砂漠にも生息しています。
その名からわかる通り、キツネの仲間であるはフェネックギツネはキツネだけでなくイヌ科の動物全体のなかで、最も体が小さく肩高は18センチほどしかありません。
一方でフェネックギツネの特徴でもある大きな耳はイヌ科の動物のなかで最大で15センチほどにもなります。
この大きな耳は厳しい暑さの砂漠地帯で体熱を放射するために活用されていると考えられています。
また、体はふさふさの体毛で足の裏まで覆われていますが、気温差が激しいため著しく気温が下がる砂漠の環境で体力の消耗を防ぐことに役立っています。
夜行性のフェネックギツネは暑い日中は巣穴で過ごし、夕方から行動を開始しますが、完全に日が暮れてしまうと厳しい寒さが襲ってくるため巣穴で過ごすので結果として1日中巣穴で過ごすことも多いようです。
フェネックギツネの性格とペットとして飼う値段

可愛らしい姿から人気も非常に高いフェネックギツネですが、「風の谷のナウシカ」に登場するテトのように飼育することはできるのでしょうか。
フェネックギツネはアメリカのニューヨーク州などでは飼育を禁止されていますが、日本では特に飼育禁止をされてるということはありません。
しかし、フェネックギツネは毛皮を目的とした狩猟の対象にされることが多いためワシントン条約の対象動物となっています。そのため輸出するにあたって規制も多くハードルが高いようです。
ペットとしての販売価格もハードルが高く、フェネックギツネをペットショップで購入する際の相場は100万円前後とされています。
また、フェネックギツネの性格は臆病で警戒心も強いため、イヌ科の動物ですがイエイヌのように飼い主に従順になるというよりは、ネコのように気まぐれな面も持ち合わせているようです。
人に慣れると抱っこをすることもできますが、タイミングによっては嫌がって指を噛まれることもあります。
赤ちゃんのような鳴き声?フェネックギツネの寿命と食べる

上でも触れたようにペットとしても飼育されているフェネックギツネですが、飼育するうえで大変な面もあるようです。
その1つが鳴き声です。フェネックギツネは夜行性で夜中に活発に活動をします。活動する際に赤ちゃんが泣いているような甲高い鳴き声を発するため、近隣への配慮が必要となります。
野生のフェネックギツネは過酷な環境で生きているため、食べ物は雑食性で、木の根や小型の爬虫類や虫、卵などを食べています。動物園では馬肉などを与えることが多いのですが、ペットとして飼育する際はキャットフードを与えるとよいようです。
フェネックギツネの飼育下での寿命は12~14年ほどでイヌなどと同じくらいですが、野生下では長くても10年ほどにとどまるようです。
可愛らしいフェネックギツネですが、ペットとして飼育するのは苦労することも多いようです。飼育をする際は、簡単な気持ちではなくきちんと覚悟を持ったうえで飼わなければいけません。