鳥類

飛べない鳥エミューはイクメンでオーストラリアの国鳥

投稿日:2019年9月23日 更新日:

エミュー

翼を持ち青空を自由に飛び回る鳥は人類の憧れでもありますが、世界には空を飛べない鳥も存在します。
水の中を自由に泳ぐペンギンや世界一大きい鳥類のダチョウが代表格です。今回紹介するエミューもダチョウによく似た鳥ですがいったいどんな違いがあるのでしょうか。エミューの生態とともにご紹介していきたいと思います。

飛べないが走れる鳥エミューとダチョウの違い

エミュー

冒頭でも触れた通りダチョウとエミューはともに飛べない鳥の一種です。ダチョウとエミューは両方とも大きな体を持っており、それぞれダチョウは2メートルから2.5メートルほどの大きさで鳥類最大。エミューは1.4メートルから2メートルで鳥類第2の大きさをを誇ります。
このよく似た2種類の鳥の最も大きな違いは足の指の数です。鳥類の足の指は通常4本ですが、ダチョウは足の指は2本退化して残っているのは2本です。
これに対してエミューの足の指は1本退化して3本になっています。
ダチョウとエミューは脚力が非常に発達しており、ダチョウは時速70キロ、エミューは時速50キロで走ることができます。
また、ダチョウの羽根は外から確認できるのですが、エミューの羽根は退化しているため羽毛に隠れ、外から確認することができません。
また、ダチョウと比べるとエミューは攻撃性が少なく穏やかだといわれています。
分類から見てもダチョウはそれだけで分類されるダチョウ目ダチョウ科の鳥である一方でエミューは東南アジアなどの国に生息するヒクイドリを含むヒクイドリ目エミュー科に属しています。

日本でも飼育が盛んなエミューはオーストラリアの国鳥?

エミューが親しまれているオーストラリア

エミューは非常に体が頑丈な鳥で、環境の悪い砂漠化しかけている土地でも生き抜くことができます。そのため生息地であるオーストラリアでは大陸の全土でその姿を見ることができます。
現存しているエミューは1種類のみですが、以前は現存している種に近い亜種が存在していたようですが、1800年代中ごろに絶滅をしてしまいました。
そんなエミューはオーストラリアの人々にとって、身近な存在であるようで政府の国章にカンガルーとともに採用されており、オーストラリアの硬貨にもその姿を確認することができます。
エミューは前にしか進むことができず、「前進あるのみ」という意味も込めてオーストラリアの国鳥に指定されているという話もあります。
エミューは上述のような頑丈さから飼育が簡単ということもあり、畜産を目的として日本でも飼育されています。
エミューの卵は緑色をしたラグビーボール状の卵でニワトリの卵と比較すると約8倍から10倍の大きさになります。
過熱してもやわらかい性質でかき混ぜると泡立ちが良くふわふわとした食感を維持できることからオムレツに向いているとも言えます。
またエミューの肉も低脂肪、高たんぱくであることに加えて鉄分も豊富で日本でも食肉として注目を集めています。

オスが子育てするエミューの特徴的な鳴き声

エミュー

食用としても注目が集まるエミューの卵ですが、実はこの卵を温めて子育てするのは主にオスの役割なのです。
エミューの繁殖期は11月から4月でその間メスは20個ほどの卵を産みますが、エミューは1匹のメスに複数のパートナーが存在するため卵はオスにまかせて別のパートナーの元に行ってしまいます。
エミューのオスは残された卵を約1か月半から2ヶ月弱の期間、飲まず食わずで排泄もせずに温め続けます。
卵がかえりが生まれた後もおよそ7か月間は雛に付きっ切りで子育てを行うのだそうです。
エミューのオスは卵を温めている間は体に蓄えた脂肪を消費しながら生きているので卵がかえるころには体重が元の3分の2ほどにまで減少してしまいます。
エミューのオスとメスの違いは鳴き声にも表れており、オスは「ブーブー」といった鳴き声、メスは太鼓のような「ポンポンポン」とよくとおる鳴き声を発します。

ダチョウのようで全く違う特徴を持っているエミューは、オーストラリアの人々にとってもなじみ深い生き物のようです。日本でも実際に見ることのできる場所も多いため、エミューを通じてオーストラリアに思いをはせていてはいかがでしょうか。

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