
1950年に誕生したプロ野球・東京ヤクルトスワローズの前身である国鉄スワローズ。そのニックネームを募集した際、「国鉄コンドルズ」に決まりかけていましたが、「コンドル=混んどる」を嫌った国鉄が「スワロー=座ろう」という意味を込めてスワローズにしたという笑い話があります。
この話はどうやら真実とは異なるそうですが、コンドル消毒液やコンドルタクシーなどコンドルは日本人にとってもおなじみの鳥のようです。
今回はそんなコンドルについてご紹介していきたいと思います。
コンドルは飛んで行くでも有名なコンドルは日本でもみられる

日本でも広く親しまれている「コンドルは飛んでいく」ですがもともとは1913年に原曲が発表されました。1970年代にサイモン&ガーファンクルがカバーし世界的に有名になりました。
この曲に登場するコンドルは南米に生息する鳥ですが日本の動物園でもそのすがたをみることができます。
コンドルは日本でも多くの動物園でその姿を見ることができます。特に、大阪市天王寺区にある天王寺動物園では現在、国際鳥類学会議に分類されている7種のコンドルのうち、アンデスコンドル、ヒメコンドル、トキイロコンドル、クロコンドルの4種類が飼育されています。
首都圏では東京都の上野動物園と神奈川県横浜市にある野毛山動物園で飼育されています。
巨大なコンドルは死肉を食べ大きな翼だが飛べない?

コンドルを日本語では「禿鷹(ハゲタカ)」と呼びます。この呼び方からわかる通り、コンドルはワシやタカの仲間である猛禽類に分類されます。
コンドルは動物の死体に頭を突っ込んで肉を食べますが、食事をしている間に羽毛に腐敗した血液や体液が染み込むことを防ぐため、頭頂部がむき出しになるよう進化を遂げました。その姿から日本語で「ハゲタカ」と呼ばれるようになりました。
動物の死体は腐敗していることも多いのですがコンドルは消化器官の中で有害な細菌を死滅させ残った最近と共存できる仕組みを持っており、危険な死肉をエサにできるのです。
コンドルは猛禽類の中でも最大級の大きさを誇り、翼を広げると両翼の大きさは3メートルにも達します。
この大きな翼はコンドルの名を冠す多くの企業・製品のロゴやモチーフに使われています。
しかし、実はこの翼をもってしても15キロの巨体を持つコンドルを羽ばたいて浮かせることはできません。
重いコンドルを羽ばたいて空をとばすには筋力不足なのだそうです。
コンドルは羽ばたいて空を飛ぶのではなく、大きな翼や気流を利用してグライダーのように滑空します。
翼を広げて優雅に空を滑る姿から「コンドルは飛んで行く」が生まれたのではないでしょうか。
ナスカの地上絵にも登場!南米を代表するコンドル

コンドルは南米の国々にとって特別な存在を持つ鳥です。エクアドル、チリ、コロンビア、ボリビアでは国鳥に指定されており、ある民族ではコンドルは自分たちの遠い祖先であるという言い伝えが残っているなど、コンドルは南米の多くの民話や神話に登場しています。
また、ペルーの世界遺産であるナスカの地上絵にもコンドルの姿が描かれています。
南米の国々で特別な存在であるコンドルですが、今や多くの世界中にコンドルをモチーフにした製品や企業があります。コンドルの優雅で雄々しい姿に世界中の人々が魅了されているようです。